【書評・感想】サイバーエージェント突き抜けたリーダーが育つしくみ

サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ 書評仕事

本記事では、こちらの書籍について語りたいと思います。

「サイバーエージェント突き抜けたリーダーが育つしくみ」

本書は、20代で役員になった方、人材育成担当、新規事業担当など、サイバーエージェントのキーマンへのインタビューで形成されています。

 

この本は、以下の方にオススメです。

・人材育成に悩んでいる管理職および人事
・若く成功した人の考え方を学びたい方
・成長をしたいが伸び悩んでいる方

インターネット広告事業やAbemaTV、Cygamesなどを展開する、サイバーエージェント。

ベンチャー企業から大企業へ成長しく中で、“人材育成”に焦点を当てた書籍です。

 

某企業でWeb広告に従事している筆者が本書を読み、サイバーエージェントという会社について語ります。

サイバーエージェントの方と何度かお仕事をしましたが、本当に優秀な人材が多いです。

 

なぜサイバーエージェントは、優秀な人材を育てることができるのか?

①採用
②育成
③新規事業

考え抜かれていながら、どこか緩やかなサイバーエージェントの人材育成制度について、3つのポイントから迫ります。

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【書評・感想】サイバーエージェント突き抜けたリーダーが育つしくみ

サイバーエージェント スクランブルスクエア

私は某企業にてWeb広告の事業に従事しています。

入社して8年間、インターネット広告の成長曲線を感じながら、日々仕事をしています。

 

そんな仕事柄なので、サイバーエージェントさんとお仕事をする機会が何度かありました。

他の会社さんと比較して感じることは、“若くて優秀な人が多い”という印象。

 

自分より歳下の方に「何故ここまで考えられるのか」と息を巻いたことが何度もありました。

粗削りなところも多いですが、それを上回るスピード感と意識の高さに目を見張ります。

 

何より、同業他社と比較して管理職が圧倒的に若いんですよね。

20代前半という若さで部下を統率している方は、珍しくありません。

30歳前後で100名近い組織を束ねている方と、お会いしたこともありました。

 

サイバーエージェントの方と仕事をすると、毎回刺激を貰います。

うちの会社と違って優秀な人材が多く育っているなぁ…と思うばかりでした。

【採用】基準は優秀な人材ではない

採用 人材

サイバーエージェントという会社には、なぜ優秀な人が集まるのでしょうか?

その答えは、こちらの書籍にありました。

 

サイバーエージェントは優秀な人を採用しているのではなく、会社のカルチャーに合った“素直でいい人”を採用

また、様々な切り口のインターンシップを数十回に渡って開催するなど、学生と会社のミスマッチを防ぐ仕組みが徹底的に作られています。

 

どんなに優秀な人でさえも、会社のカルチャーとマッチしていなければ直ぐに辞めてしまいます。

弊社も入社して1年以内に辞める新卒は毎年いますし、「こんな仕事のはずじゃ…」という声もチラホラ聴きます。

 

また、普通の会社では経営者と現場担当で、考え方やカルチャーが異なることは日常茶飯事でしょう。

しかし、サイバーエージェントでは会社のカルチャーが、学生(内定者)まで浸透・徹底されています。

 

「サイバーエージェントっぽい」という言葉を、仕事上でよく聞きます。

人々が思い描くサイバーエージェントらしさは、もはや社内だけでなく社外にも浸透しているように思います。

本書ではこうしたカルチャーが生まれていくまでの苦しい過程も、興味深く綴られていました。

【育成】制度は作るものではない

育成制度

本書を読み進めていて感じたのは、サイバーエージェントは手を挙げる文化が醸成されている事。

そして、その仕組みとカルチャーが徹底されている事。

サイバーエージェントの社内は、年次を問わず“意思を伝えること”が当たり前になっています。

 

育成に悩む人事や管理職の皆さんは、「どんな制度を創ったのだろう?」と疑問に思うかもしれません。

しかし、サイバーエージェントは制度作りから始めませんでした。

“制度を創るのではなく、風土となる事例を創る”

本書で紹介されたこの言葉こそ、サイバーエージェントが長年かけて作ってきた文化の象徴だと思います。

 

制度を1つや2つ作るところから考えるのではなく、目指す方向の事例を創る

経営者を目指す若手を増やしたいのであれば、若手の経営者をまず作る。

一朝一夕では作ることのできない風土醸成が、今のサイバーエージェントを形成しているのでしょう。

 

サイバーエージェント取締役で人事トップである曽山 哲人さんが本書にて解説しています。

【新規事業】100以上のグループ会社

渋谷 街並み

サイバーエージェントは2020年2月現在、100を超える子会社が存在します。

 

本書を読むまで、同業者の目線としてはこんな感覚でした。

「とりあえず面白そうなら会社を創って、ダメなら直ぐたたむ文化」

間違ってはいないのですが、本書を読み進めていくと子会社設立および継続に対して細かなルールが敷かれている事が分かりました。

 

大企業では一つの社内部署を創るだけでも時間がかかるのに、なぜこんなにも子会社が作れるのか。

そして、なぜ事業を継続させることができるのか。

・ハードルを下げた新規事業コンテスト
・ルールに基づいた子会社のランク付け
・藤田社長を交えた子会社社長が全員同席の報告会
・業績に応じた会議の座席順番
・撤退ルールの明確化
etc…

まだまだ多くありますが、事業の立案から継続・撤退まで自由かつ厳しいルールが敷かれています。

こうした環境で育った経営者が、サイバーエージェントグループには圧倒的な規模で存在します。

 

経営を学ぶには経営をさせるしかない。

そんな文化を徹底しているサイバーエージェントは、未来を見続けている意思の強い人材が今も育ち続けています。

【書評・感想】サイバーエージェント突き抜けたリーダーが育つしくみ|まとめ

採用・育成・新規事業の3本柱が、見事に噛み合っている会社です。

そして、人事の育成制度は短期間で醸成できるものではないと、本書を読み進めて強く感じたポイントです。

 

AbemaTVの収益化など、これから新たなフェーズに向かっていくと予想されるサイバーエージェント。

“21世紀を代表する会社を創る”というビジョンの実現に向けて、ますます飛躍していくことでしょう。

そして、サイバーエージェント出身者が、別の21世紀を代表する会社を創るのも、そう遠くない未来かもしれません。

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