【心理的リアクタンスとは?】「数量限定」で購買意欲が高まる謎を解説

心理的リアクタンス カリギュラ生活

当店の限定品です
最後の一点になります
もう手に入りませんよ

んー…

買いますっ!!

 

「数量限定」「今だけ」「特別」という言葉に魅了されて、ついものを買ってしまう。

そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

一体、なぜ「数量限定」「最後の一点」と言われれるだけで、購買意欲が増すのでしょうか?

それは、「心理的リアクタンス」と呼ばれる、自分の自由を奪われることへの抵抗です。

 

本記事では、どの様な場面で「心理的リアクタンス」が発生するのか、そしてそれは何なのか解説していきます。

こんなヒト向けの記事:
・「自由」でいたいと思っている
・「限定品」というコトバに弱い
・「最後の一点」でモノを買ってしまう
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「数量限定」で購買意欲が高まる謎を解説【心理的リアクタンス】

「決して覗いてはいけません…」

と、鶴に言わたものの、どうしても中で何をしているか気になってしまい、扉を開けてしまう。

日本人なら誰でも知っている「鶴の恩返し」のお話です。

 

「決してリンゴを食べてはいけません」

聖書に描かれている人類最初の人間「アダムとイブ」も、約束を破りリンゴを食べてしまいます。

 

人間は「だめだ」と言われれば言われるほど、反発したくなってしまいます。

この様な、好奇心に基づく反発心のことを「心理的リアクタンス」と呼びます。

なぜ反発したくなるのか

心理的リアクタンス 反発

人間には、生まれつき以下のような心理が備わっているといわれています。

・自分のことは自分で決めたい
・好き/嫌い/接近/回避を自分で決めたい

 

要は、誰にも縛られることなく自由でありたい!というコトですね。

 

「これはダメだ」「やってはいけない」と言われることは、自由を奪われるストレスです。

その自由を取り戻すために、様々な欲求が発生することで、衝動買いなどの思わぬ行動に出てしまう事があります。

 

前例の様に「数量限定です」とお店側から言われるコトは、“自由な購買”を奪われてしまう事になります。

その気持ちを律するために購入して、”自由でありたい”という気持ちを収めているのです。

 

つい買いたくなってしまうのは、人間のココロを維持するための、当たり前の行動でもあると言えるでしょう。

「心理的リアクタンス」が現れる4例

「数量限定商品を買う」ということ以外にも、日常的にも「心理的リアクタンス」は潜んでいます。

どんな時に反発心をもって行動しているのか、4つの例をまとめました。

心理的リアクタンス①:ダイエット

ダイエット

少し太ってきたな…と体型が気になってきたときに行う事といえば、ダイエットです。

・納豆ダイエット
・スムージーダイエット
・バナナダイエット
・寒天ダイエット
…etc

様々な「〇〇ダイエット」が流行っては廃れていきます。

 

「〇〇を食べてはいけない!」という条件は、自由を奪う”心理的リアクタンス”に該当します。

食べたい…という気持ちが抑えきれず、ダイエットに失敗したり、リバウンドしてしまう人も少なくありません。

 

最近は「好きなものを食べるダイエット」というものも多く出てきていると思います。

なるべく時間をかけてでも、制約が少ない方が心理的にはよいと言えるでしょう。

心理的リアクタンス②:子どものおもちゃ

こどものおもちゃ

子どもを対象にした”心理的リアクタンス”を測る実験は、何度も行われています。

その中でも「禁じられたおもちゃ」に対する関心は、とても高いという結果があります。

 

<実験>
①子どもに1つおもちゃを選んでもらう
②そのおもちゃだけは”触っちゃいけない”と指示
③しばらく自由に遊ばせてみる

 

多くの子どもは“禁じられたおもちゃ”をチラチラ気にしつつも、手には取らず我慢して遊ぶケースが多いです。

しかし、その後「どのおもちゃでも遊んでいいよ」と指示を出すと、ほとんどの子どもが”禁じられたおもちゃ”へ一目散に駆け寄ります。

 

「ダメ」と禁じられると、欲しくなってしまう、触りたくなってしまう。

これは子どもの頃から備わっている、人間の本能と呼ぶことができるでしょう。

心理的リアクタンス③:別れ話

別れ話

恋愛において、出会いもあれば別れもあります。

別れ話をするときにも、“心理的リアクタンス”は潜んでいます。

 

A男「ごめん…別れたいんだよね」
B女「いやだ!別れたくない!」

 

この時、「別れたくない!」と強く言われることによって、A男の「別れたい」という反発の気持ちがより強くなってしまいます。

「別れたい」という自分の選択肢を、制御されている結果ですね。

 

別れ話を切り出された時に「そう…分かった。別れましょうか…」と伝える方が、相手の気持ちを取り戻す可能性が高いかもしれません。

相手は引き止められるものと思っているので、気持ちが揺れ動くことでしょう。

心理的リアクタンス④:映画「カリギュラ」

映画カリギュラ

皆さんは「カリギュラ」という映画をご存じでしょうか。

AmazonPrimeVideoで配信している、東野さん今田さんのバラエティ番組のことではありません。

ローマ皇帝の”カリギュラ”が主人公の、1980年に公開されたイタリア・アメリカ合作映画です。
※参考:Yahoo!映画「カリギュラ

 

映画公開にあたって、性的シーン・暴力シーンが多いという理由で、アメリカのボストン市で「公開禁止」という措置が取られました。

この「観てはいけない!」という制約が、ボストン市民の”心理的リアクタンス”を刺激。

「カリギュラが観たい!」と多くの人が映画館に殺到し、公開せざるを得ない状況となり、正式に公開する結果となりました。

 

すると、あまりの人気と話題性から映画は大ヒット!

更に面白いことに、映画の評判も異常なほどに高く、多くの評論家もベタ褒めばかりとなりました。

 

「カリギュラ」は性的描写も多く、見世物的、娯楽的な映画として作られました。

しかし、「観てはいけない」と禁止されることで、禁止されているものの興味や関心を掻き立てるだけでなく、禁止されているものを魅力的に見せる効果もあることが証明されました。

 

このような事例から、「心理的リアクタンス」という言葉は、アメリカでは「カリギュラ効果」と呼ばれたりしています。

「数量限定」で購買意欲が高まる謎を解説【心理的リアクタンス】|まとめ

・人間には生まれつき「自分のことは自分で決めたい」という欲望がある
・何かを制約されることは、心のストレスになる
・自由を取り戻すために、様々な欲求が発生し、衝動買いなどを起こす
・制約されたものは、興味だけでなく価値を向上させる

やってはいけない、と言われるとやってみたくなるのが人間の性。

 

逆に「この本おススメだよ!絶対に読んで!」と言われることに対しても、反発したくなると思います。

この時も、自分で読む本は自分で決めたい、という心理的リアクタンスが起きています。

 

心にストレスをかけすぎず、自分らしい選択をして、人生を豊かにしていきましょう。

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