有名店だし…
外は暑いけども…
みんな並んでるし…
よしっ
1時間の行列に並んでラーメンを食べよう!
そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
有名店から3分も歩けば、並ばずに入れるお店があるにも関わらず、つい行列店に入ってしまう。
1時間並んだほどの味の差があるかは、分かりません。
行列ができるくらいだから、それほどの価値があるはず。と信じて並びます。
なぜ私たちは行列に並んでしまうのでしょうか?
それは、心が無意識に決断・選択することを放棄した結果なのです。
本記事では、行列に並ぶなど、つい周りと同じ行動を取ってしまう心理を解説いたします。
・行列についつい並んでしまう
・認知的倹約家について気になっている
・周りの行動に合わせるのが好き
【認知的倹約家】行列に並ぶ心理とは?みんなと同じ行動をすると安心
あなたは、どちらのお店が美味しそうと感じるでしょうか?
B店:行列はゼロ。一緒に来た友人は美味しいと言っている。
恐らく、A店の方が美味しそうと感じるはずです。
それほど、行列にはモノの価値を向上させる力が働きます。
行列に並ぶとき、無意識に人は以下のような考えをしています。
②多くの人が食べに来ている
③きっと美味しいに違いない
何を当たり前のことを言っているんだ、と思うかもしれません。
この様に考えるのは「認知的倹約家(認知的ケチ)」と呼ばれる心理によるものです。
認知的倹約家(認知的ケチ)とは?
私たちは毎日、様々な選択と決断をしています。
何時に起きる。
何の服を着ていく。
どの電車に乗る。
何を食べる。
…etc
気付いていないかもしれませんが、数百、数千の小さな決断で日常は成り立っています。
その一つ一つを全て自分だけで判断するというコトは、大きな労力です。
人間は、自分で情報を持っていないものや、興味のないことについては、極力少ない労力で判断をしたがります。
美味しいラーメンやレストランで食事をしたくても、すべてのお店で試食はできません。
そこで、周りの意見として“行列”という情報を参考に、無意識的にお店を選んでいます。
周りの意見と同じような行動を取ることを“同調”と呼びます。
同調行動は、日常のいたるところで起きている心理です。
同調行動を取ってしまう行動3例
それでは、”行列店に並ぶ”以外に、日常的に行っている同調行動の例を3つご紹介します。
あなたも無意識のうちにやっているかもしれません。
リクルートスーツ
多くの大学生は3年生、4年生になると「就職活動」を始めます。
いわゆるリクルートスーツと呼ばれる、黒いスーツを購入する大学生が多くを占めると思います。
筆者もリクルートスーツで就職活動をしていました。
「絶対にリクルートスーツじゃなきゃダメですからね!」
という案内を、国が出しているわけではありません。
しかし、“みんな着ているから”という理由で、無意識的にリクルートスーツを購入し、面接会場で同じ服を着ている同志を見ると安心します。
最近はIT系会社などで、私服での参加OKといった表明をしている会社も増えてきています。
画一的なスーツで就職活動を行うのではなく、みなさんの個性が出せるような時代になっていくことを祈ります。
SNSで人をたたく
TwitterやInstagramといった、匿名で行えるSNSが復旧している時代。
様々な人と繋がって楽しく投稿できる反面、不祥事を起こした人・気に食わない人を徹底的にたたいてしまうという側面もあります。
アンジャッシュの渡部建さん
雨上がり決死隊の宮迫博之さん
…etc
多くの芸能人や有名人が、SNSで袋叩きにあってきました。
もちろん、本人が悪いことをしたので、償いや社会的制裁は受けなければなりません。
しかし、“ここまで叩く必要があるか?”という度を越えた批判が殺到するケースも多く見られます。
これは、“世間がこの人を叩いているから、私も乗っかっちゃおう”という同調心理が働いているケースも多いです。
一人一人の意識は薄くても、それが多くの意見になった時、信じられないチカラを持ってしまいます。
SNSで何か意見を言う時は、“本当の自分の意見”を言うように心がけてみましょう。
意見を他人に合わせる
学生時代、こんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
先生「この問題の答えは?」
生徒A「18です!」
生徒B「18です!」
生徒C「18です!」
自分(17だよ絶対…でも…)
自分「…18です!」
自分の意見に自信があるにも関わらず、他人の異なった意見に乗っかってしまいます。
子ども時代に多く見られる同調行動ですが、大人になっても同じく、自分一人だけ異なる意見になることが気持ち悪く感じてしまいます。
自分の信じた回答を貫き通せる、筋の通った大人でありたいですね。
【認知的倹約家】行列に並ぶ心理とは?みんなと同じ行動をすると安心|まとめ
・そうした考えを”認知的倹約家”と呼ぶ
・「行列」は”美味しいはず”という情報を、無意識に選択している
・他人と同じ行動をすることを、”同調”と呼ぶ
日常生活とは、多くの決断の積み重ねです。
その負荷を軽減するために、行列を見ると「絶対に美味しいはず」という判断を無意識に下しています。
また、他人と同じ行動をすることで、安心感が生まれるという効果もあります。
一方、自分の行動が同調行動になっていないか、ふと立ち止まって考えてみることも大切かもしれません。
あえて今までと違う行動を取ってみることで、人生の選択肢が増えるでしょう。
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