私はサイト内でアーティストの好きな音楽について紹介をしています。
音楽を紹介するにあたって切っても切り離せない関係にあるのが、「著作権」および「JASRAC」です。
あなたが何気なく掲載している情報は、ルール違反を犯していませんか?
ルール違反をしてしまったら、悪意がなくても”知らなかった”では済まされません。
突然アカウントがBANされたり、JASRACから請求依頼がくる、といった事例も。
サイト内にYouTubeを掲載してはいけない…?
歌詞の掲載は一部なら大丈夫…?
そう!
正解はここにあります!
「JASRAC」
「著作権法」
「文化庁」
上記の規程を読み込んで、YouTube埋め込みや歌詞など、音楽の著作権にまつわる疑問をまとめました。
※2019年7月9日追記※
JASRACに見解を問い合わせたので、最下部に記載しています。
・サイト運営をしていて収益化を行っている
・サイト内で音楽の紹介をしたい
・自分が規約違反をしていないか気になる
ブログ内にYouTubeの埋め込みは禁止?|JASRACと著作権
Youtubeを埋め込んで音楽や動画を紹介しているサイトを、何度も見たことがあると思います。
果たして、これは違反となるのでしょうか?
結論、
収入(アドセンスなど広告収入を含む)を得ているサイトはNG。
収入(アドセンスなど広告収入を含む)を得ていないサイトはOK。
となります。
※JASRACの規程を引用
動画の貼り付け先は、収入(広告収入を含む)を得ずに運営するサイトである。
出典:動画投稿(共有)サイトにアップロードされている動画をタグ貼付・埋込の方法で外部のサイトで利用する場合
↓いいえ(収入を得ている)
貼り付け先のサイト運営者において、インタラクティブ配信の許諾手続きが必要となります。
サイトで音楽を紹介することはできないのか…涙
諦めたくなかったので、調べました!
調べた結果、
唯一の回避策はコチラ。
テキストリンクとしてYouTubeへ飛ばす。
私が好きなポルノグラフィティを紹介したい時は、こうなります。
【YouTube】ポルノグラフィティ 『VS(short ver.)』
うーん、もどかしいですが、何とかコレで凌ぎます。。(既にサイト内の音楽系YouTubeはこの様に変更しています)
ちなみに、「動画で使用されている音源は…」という主語があるので、音楽がないYouTubeに関しては埋め込んで問題ありません。
また、当たり前ではありますが、
違法アップロード動画など権利処理がされていない動画に関しては、埋め込み自体が禁止なのでご注意下さい。
ブログに歌詞の引用は禁止? |JASRACと著作権
ブログで歌詞を書いているヒト、たくさん見かけますよね。
歌詞の掲載は違反になるでしょうか?
結論、
基本的には、JASRACの利用許諾がないとNG。
著作権法的には、「引用」の範囲であればOK。
うーん、、
グレーな感じが満載です。調べるほどに。
まず、JASRACの表記を見てみましょう。
個人が開設したブログ等でJASRACの管理楽曲の歌詞を掲載する場合、JASRACへの許諾手続が必要となります。
※出典:JASRAC「ブログへの歌詞掲載について」
ただし、運営事業者がJASRACと許諾契約を締結しているブログサービスの場合、個人ユーザーがJASRACに対し個別に許諾を得ることなく歌詞を掲載していただくことができます。
つまり、JASRACと契約してないサイトはNGだよ~、ということです。
では次に、著作権法の表記をみてみましょう。
「引用」については、第三十二条に記されています。
公表された著作物は、引用して利用することができる。
※出典:CRIC「著作権法」
この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
「引用」であれば著作物も利用できると記載されています。
では続いて、文化庁による「引用」の見解をみてみましょう。
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
※出典:文化庁「著作物が自由に使える場合」
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
なるほど…
キーワードがいくつか出てきましたね!
少し噛み砕いてみましょう。
「必然性」とは?
著作物の掲載が、文章構成上で絶対に必要であるか、という点です。
明らかに不自然な引用は、必然性があるとは見なされません。
例えば、大人気アーティストの歌詞を掲載し、その下に関係のない昨日の出来事を書いているページがあったとします。
歌詞の存在に必然性を感じませんし、大人気アーティストを使ってアクセスを稼いでいると見なされてしまいます。
逆にこのような文章の場合はいかがでしょうか?
それは歌詞の一部の“△△△△△△△”という表現にココロを奪われたからだ。
こんな表現をできるアーティストをこれからも応援したい。
アーティストを好きになったきっかけの材料として歌詞の一部を紹介しており、必然性の可能性が高いといえるでしょう。※絶対ではありません
「引用部分の区別」とは?
先ほどからこのページでも意識していますが、引用部分は読者が分かるようにしなければなりません。
・引用部分を枠でくくる
・引用部分だけ太文字にする
・引用部分だけ背景色を変更する
など、サイト運営者の文章と、引用部分を明確にする必要があります。
引用箇所が紛れ込まないよう、注意してください。
「主従関係」とは?
サイト運営者の記事(主)をメインとすると、引用部分(従)はサブです。
歌詞を全文掲載して、「とてもいい歌詞ですね。」とだけ記載されているページは、歌詞が「主」の存在になっているためNGです。
では、サイト上で何%の文字があれば、メイン(主)サブ(従)と見なされるのでしょうか?
それは、明確に決まっていません!
少なくとも5割以上、いや6-7割は自分の文章だと言える構図を意識した方がいいでしょう。
「出所の明示」とは?
その歌詞が誰によって書かれたものか、明確に示す必要があります。
「曲のタイトル」「作詞者の名前」が明記されていればOKと判断できるでしょう。
結論:歌詞の掲載は?
これまでの見解をまとめると、
「引用」の範囲内であれば法律上はOKと見なされる。
しかし、「引用」の範囲を巡って指摘が入る可能性はある。
と、言えるでしょう。
これを踏まえた上で、サイト運営者は適切な判断をしていただければと思います^^
YouTubeや歌詞をサイト内に掲載したい場合は?
これまでの説明のとおり、YouTubeの掲載、歌詞の掲載などJASRAC的にNGな項目はたくさんあります。
では、どうしてもサイト内に掲載をしたい場合はどうすればよいのでしょうか?
JASRACに利用許諾を申請し、サイト売上の一部をJASRACに返納すればOKです。
<利用許諾 申請>
J-TAKT インターネットでのJASRACレパートリー利用許諾申込受付システム
<利用料金>
使用料早見表
ちなみに、サイト内で音楽をストリームする(YouTube埋め込みで紹介する)には、「月間の情報料及び広告料等収入の3.5%」となります。
つまり、アドセンス収益の3.5%をJASRACへ返納する必要があります。
これを高いか安いか、どのように感じるかはサイト運営者によって異なると思います^^
JASRACの見解は?実際に聞いてみた
2019年7月に、こちらのサイトの情報が正しいか改めてJASRACへメールで確認しました。
問い合わせ内容は下記。
以下の認識で相違ないでしょうか?
・広告収益があるサイトでは、YouTube埋め込みで音楽の紹介はNG
・広告収益のないサイトでも、公式チャンネル以外の紹介はNG
・テキストリンクでYouTubeへ飛ばすのは、収益ありサイトでもOK
○2,歌詞の掲載について
以下の認識で相違ないでしょうか?
・歌詞の掲載は基本的にNG
・著作権法三十二条における「引用」の範囲内であれば、サイト内でも掲載はOK
・「引用」とは文化庁の定める「必然性」「引用部分の区別」「主従関係」「出典の明示」が必須
こちらの問い合わせに関して、JASRAC(JASRAC送信部ネットメディア課)の回答は以下。
「NG」
⇒「JASRACの許諾・支払いが必要」
「OK」
⇒「JASRACの許諾・支払いが不要」
ということになりますが、 それ以外はご認識の通りです。
ということで、認識に相違がない旨は確認が取れました。
しかし、「引用」に関しては法律の範囲内となるので、判断が難しい場合は弁護士さんに相談するか、リスクを負うのは諦めましょう。※本サイトでは責任を追いかねますので、ご了承下さい
ブログ内のYouTube埋め込み・歌詞引用は著作権侵害?|まとめ
・テキストリンクとしてYouTubeを貼るのはOK
・歌詞は「引用」の範囲で行いましょう
・JASRACの見解とあわせながら慎重に判断しましょう
サイトを運営していく中で、著作権などの法律は切っても切り離せません。
“知らなかった”とならないよう、ルールは把握しておきましょう!
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