【集団性】うわさ話はどの様に生まれて広まるのか?【豊川信用金庫】

ウワサ話生活

あの人たち付き合ってるらしいよ
Aさん性格悪いって噂だよね

人間という生き物は、うわさ話が大好きです。

 

あなたも学校や会社といった組織集団の中で、うわさ話をしたり聴いた事があると思います。

「〇〇さんって、△△のコト好きらしいぜ~」

学生時代の筆頭のうわさ話でしたよね。笑

 

しかし、うわさ話というものは、嘘や誇張で広められるものが多くあります。

“火のないところに煙は立たない”と言われますが、うわさ話では誰の意図もなく煙が立ってしまうことがあります。

 

では、なぜ真実を帯びないうわさ話が後を絶たないのでしょうか?

そこには、人間の心理が大きく関わっています。

本記事では、うわさ話の生まれ方と広まり方を、「集団性」という観点からまとめました。

こんなヒト向けの記事:
・うわさ話が大好き
・ゴシップが大好き
・情報を人に知らせたくなってしまう
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【集団性】うわさ話はどの様に生まれて広まるのか?

うわさ話が生まれ、広がっていく過程では「集団性」という人間心理が大きく関わってきます。

集団が嘘をつくる

突然ですが、質問です。

コチラの図、どの棒が最も長いでしょうか?

グラフ

 

恐らく、99.9%の人が「C」と答えたと思います。

自分ひとりで見ている限り、正答率はほぼ100%に近い結果となります。

 

しかし、複数人のサクラが混じった集団内で先ほどのグラフを見ると、事態は変わります。

「一番長いのはAだ!」と力強くサクラが言い続けると、正答率は一気に低下します。

 

これは、気を使って話を合わせているのではなく、本当に一瞬「A」が一番長く見えてしまうのです。

集団でいると、知らない間に周りの意見に引っ張られ、真実が嘘へと変わってしまうことがあります。

 

何が怖いかというと、誰もその自覚がないことです。

 

この様に、集団のチカラによって、根も葉もないうわさが無意識に作られてしまう事があります。

集団が偏見を誇張させる

集団の特徴は、嘘を創りだすだけではありません。

数人でうわさ話をすると、誰かが言い始めた情報が、極端に偏見に満ちた広がり方をします。

あなたもそういった経験をしたことはないでしょうか。

 

こんな実験がありました。

とあるアルコール依存症の男性の”印象評価”を行います。

その際、男性の「だらしない」エピソードと、「バリバリ働く」エピソードの情報が渡されます。

「彼はどんな人か?」という質問に対して、どのように集団内で語られ広まっていくかを観察しました。

 

〇一人で考えた場合

両方のエピソードについて同じくらい考え、「普段は努力家だけど、酒に飲まれるタイプ」という結論に。
〇集団で話し合った場合

「だらしない」エピソードが数多く議論され、「バリバリ働く」という情報については、ほぼ誰も発言をしない。

“アルコール依存症”という病気に対する偏見が飛び交います。

「自己中心で節度がない人」という、元々の情報にないうわさ話が広がる結末に。

 

集団で集まると、「とりあえず合意する」という感情表現が行われやすくなります。

女性が集団でカフェに集まり、各々の意見を共感しながら話を進めるのも同じ現象です。

少し意見が異なっていても、周りが同調していれば合意をしてしまうものです。

 

事件が発生し、犯人の目撃情報に関しても、集団よりも一人の方が情報が正確だといわれています。

集団で思い出させると、不正確な目撃情報ばかりが増えていくことも多いようです。

 

このように、集団で話をしていると誇張された情報が合意され、広がっていくことがあります。

何が怖いかというと、誰もその自覚がないことです。

時間経過と共に真実味が増す

うわさ話の情報源は、様々です。

週刊誌、ネットニュース、友達との会話、カフェの隣席から聞こえた会話…etc

情報ソースによって、信頼性は大きく異なります。

 

ゴシップ記事が情報ソースの場合、多くの人は記事の信憑性を疑いながら、面白半分のうわさ話として知人と会話するでしょう。

しかし、面白いのはその後です。

時間が経過していくと”信憑性”の部分だけが抜け落ち、事実だけが残っていきます。

これは、心理学用語で「スリーパー効果」と言われています。

 

「スリーパー効果」

信頼性が低い情報源から得られた情報であっても、時間の経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナスの効果が消え、コミュニケーション効果(意見変容、態度変容など)が時間の経過とともに大きくなる現象をいう。

情報源の信頼性の忘却のほうが、情報内容の忘却より速いためにこのような現象が起きる。

出典:weblio辞書

 

嘘っぽい記事だったのに、なぜか1か月後には真実であるかのように頭が理解してしまうのです。

たしかに、ネットニュースで読んだはずの記事を、いつの間にか信頼していることありますよね。

 

うわさ話を聞いた時は、“信憑性”“事実”を切り離さずに、意識してみてはいかがでしょうか。

うわさ話で倒産しかけた「豊川信用金庫」

有名なお話なので、聞いたことがある方も多いと思います。

1973年に「豊川信用金庫」が、うわさ話を発端に倒産しかけ大騒動になった事件があります。

インターネットやSNSがない時代に、一体何が起こったのでしょうか。

うわさ話は日常会話から

コトの発端は女子高生3名の会話から始まりました。

豊川信用金庫への就職が決まったA子さんに対して、友人のB子さん・C子さんが「豊川信用金庫って危ないらしいよ^^」と冗談としてからかいます。

これは、「金融機関は銀行強盗もあるかもしないし」という、意味が込められたものでした。

日常の一コマのよくある光景です。

 

真面目なA子さんは、自宅に帰ると親戚に対して「豊川信用金庫は危ないのか?」と質問します。

その親戚がまた別の親戚に「豊川信用金庫は危ないのか?」と質問。

さらに翌日、親戚が美容院経営者に「豊川信用金庫は危ないらしい」と会話をします。

 

うわさ話とは怖いもの。

クリーニング屋さん、その奥さん、その友人の井戸端会議…

圧倒的な速さで「豊川信用金庫は危ない」という、根も葉もないうわさが広まっていきます。

この頃には、「豊川信金は危ない」と断定調に変わりつつあったとの事です。

預金の引き落としを勘違い

うわさ話を知らないD男さんが「豊川信金から120万円をおろせ」と、E男さんへ電話で指示します。

これはただの仕事の命令で、何も関係のないものでした。

しかし、この電話を聞いた別の男が倒産のうわさとリンクさせ、180万円の預金を急いで下ろします。

 

するとそこから一気に広まります。

その後、お客が窓口に殺到し、預金5,000万円が1日にして引き落とされます。

「あそこは危ない」「潰れる」と、集団によってうわさ話が誇張されて広がっていきました。

 

その後、事態収拾のため警察が出動するなどして収まりましたが、事態収拾も一筋縄でもいかなかったとのこと。

「警察が立ち入り捜査をしている」「職員が金を使い込んだ」「理事長が自殺した」

集団による偏見を持った、根も葉もない二次デマまで拡散される事態となりました。

集団による偏見が拡散する怖さ

このお話は、女子高生の会話から約2週間の出来事です。

「豊川信用金庫事件」を振り返ると、集団による偏見とデマの拡散力には目を見張るものがあります。

いま自分が聞いているうわさ話は本当なのか?確認してみてはいかがでしょうか。

【集団性】うわさ話はどの様に生まれて広まるのか?|まとめ

・集団が嘘をつくる
・集団が偏見を誇張させる
・時間経過と共に真実味が増す
・うわさ話で倒産しかけた銀行がある

うわさ話やゴシップ話は、人間の大好物なので尽きることはないでしょう。

しかし、その事実の信憑性は本当に正しいのでしょうか?

あなたも無意識のうちに誰かを傷つけ、大きな出来事の一端を担っているかもしれません。

うわさ話の情報源にはご注意ください。

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